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吉田璋也のスタンド

安西水丸の『a day in the life』に何回も鳥取で民芸運動を起こした吉田璋也のことが出てくる。
私は全く知らない人だった。
その吉田璋也デザインの木製机上スタンドがある。
笠も木組みで白い和紙張りになっている。
そのスタンドのイラストも何回も『a day in the life』に出てくる。
(ちなみに、この本の中で繰り返し語られることは他にもいろいろあり。)
水丸さんはこのスタンドを1965年に購入しているらしい。
個人的にはこのスタンドのデザインはそれ程好きではない。嫌いでもない。
ただ、何とはなしにどこかで見ていたような気がした。
このスタンドを販売しているというたくみ工芸店のサイトを見ていたら、吉田璋也のこのスタンドが小津安二郎の映画に出てくると書いてあった。
 ・『晩春』の笠智衆の書斎
 ・『麦秋』の原節子の家の2階の部屋
 ・『彼岸花』の久我美子のバー
 ・『秋刀魚の味』の岩下志麻の机の上
で使われているという。
えっ!そんなに出てくるのか!と驚いた。
早速確認してみると、それらしきスタンドと思われたものは『麦秋』だけで、他3つのスタンドは残念ながら違うものだった。

吉田璋也のスタンド_f0162149_15103136.jpg
『晩春』のスタンド↑
吉田璋也のスタンド_f0162149_15101632.jpg
『麦秋』のスタンド↑
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『彼岸花』のバーのスタンド↑
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『秋刀魚の味』のスタンド↑

『麦秋』のスタンドも、よく似ているが笠の傾斜が違う。

吉田璋也デザインのスタンドーー>「吉田璋也の世界

しかし、『小津安二郎映画読本』に写真掲載されている遺品の中に、『麦秋』に出てくる九角形笠タイプではなく丸笠タイプの吉田璋也のスタンドに違いないものが見られるし、
吉田璋也のスタンド_f0162149_15104111.jpg
他のサイト(東京民芸協会たより)の記事に『麦秋』と『お茶漬の味』に出てくると書かれているので、『麦秋』のスタンドはそうなのだろう。

吉田璋也のスタンド_f0162149_23391088.jpg
「お茶漬けの味」のスタンド(丸笠タイプ)↑

『小津安二郎映画読本』や『麦秋』と『お茶漬の味』で目にしたことがあったから既視感があったのだろうか。
それにしても興味のある人と興味がある人に、共通項があるとなんとはなしに心浮き立つ。


by yamabato_za | 2018-05-21 15:32 | 図書室 | Trackback | Comments(0)


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