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リアルシトロン 2019

えほんと雑貨のウェブショップ「シトロンブックス」のリアルショップ「リアルシトロン」が今年も阿佐ヶ谷のCONTEXT-Sにて期間限定オープンします。
10月30日(水)から11月4日(月)まで。時間は11時から17時まで。
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DMはがきの案内文には、
「えほん、カード、カレンダー、レターセット、すごろくなどなど。
いつもの作家のみなさんの作品と、平日菓子カトンテールさんのこころがほわっとあたたかくなる焼き菓子も並びます。」
とあります。

私もちゃっかり、お仲間に入れていただいております。
店主のみぞぐちさんにまだお見せしていないのですが、新作2種と昔の小冊子の手作り復刻版などを準備しています。
新作は「お話ガチャ-お話はいかが?」と「OZUマッチ」です。
前者は、自分のサイトにかつて掲載した日々の出来事の中から厳選したお話をお守り様に仕立て上げたもの。
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自分としては、結構自信作です。
後者は、2018年小津安二郎監督生誕115年記念として作ったアドベントカレンダーを応用して、マッチ箱に仕立てたもの。(もちろんマッチ入り)
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DMはがきの案内には次のようなお楽しみ企画も紹介されています。
*「休日カフェ カトンテール」by 平日菓子カトンテール
11月3日と11月4日は、お店の一角でりんごのお菓子と紅茶をお楽しみいただけます。
*「プチ・ほぐシトロン」by シトロンブックスほぐし部
ご希望にあわせてお身体をほぐします。(店内が空いているときにどうぞ)5分間500円
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# by yamabato_za | 2019-10-20 00:23 | インフォメーション | Trackback | Comments(0)

シェルブールの雨傘 遅ればせながらミッシェル・ルグラン追悼 その2

20年以上前(1995年頃)に絵入り手書き私新聞で、ミッシェル・ルグランが音楽を担当した『シェルブールの雨傘』(ジャック・ドゥミ監督/1964年)のことを書きました。
2019年1月26日パリにて永眠したルグランを偲び、その記事の後半を以下に再録します。


物語は1957年の11月、シェルブールを舞台に始まる。
“Les Parapluies de Cherbourg(シェルブールの雨傘)”という雨傘屋の女主人、マダム・エムリーのひとり娘ジュヌビエーブとガソリンスタンドで働くハンサムなギイは愛し合っている。ジュヌビエーブは、まだ若過ぎるという母親の反対を押し切ってギイと結婚したい思うが、ギイに徴兵令状が届く。アルジェリア戦争に駆り出されるのだ。2年は帰れないという。ジュヌビエーブはギイを失うのではないかという不安から、必死にギイに泣きすがるが、「僕は君を死ぬまで愛している。僕は君が待っていてくれると信じている。2年たてば、また会えるさ」と言って出発する。
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それから2カ月、ジュヌビエーブの出した手紙にギイからの返事がない(追記4)。彼女は彼の安否をおもんばかるが、母は「おまえのことを忘れてしまっただけのこと」と言って、ジュヌビエーブを悲しませる。実は、ギイの子供をみごもっていただけに、ジュヌビエーブの悲しみと不安は増すばかり。
(追記4:今回見返して、ギイと何回か手紙のやり取りはあったことがわかりました。そして、ギイはジュヌビエーブが彼の子を身ごもっていることも知っていました。)
更に悪いことには、マダム・エムリーが金銭難に見舞われる。その金策のために、宝石を売ろうと訪れた宝石店でカサール氏と出会う。美しいジュヌビエーブに一目惚れしたカサール氏は、彼女たちのために金の工面をしてやり、ジュヌビエーブに結婚を申し込む。彼はジュヌビエーブ本人の自由意志で答えを出してくれるよう、マダム・エムリーに告げる。
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ギイが戻って来る、まだ自分を愛しているという確信が持てず、積もる不安に負けたのか、金銭面の問題があったからか、結局、ジュヌビエーブはカサール氏との結婚を承諾し、シェルブールを去る。

軍隊からギイが戻った時にジュヌビエーブの姿はなく、彼は不良のように荒れる。しかし、前からギイを想っていたマドレーヌのおかげで、少しずつ立ち直ったギイは、マドレーヌと自分の小さな夢を実現しようと決心する。ひとりの女性を愛し、彼女と事務所付きのガソリンスタンドを経営すること、それが彼の夢。
ギイがまだジュヌビエーブのことを忘れられないのでは、と不安の残るマドレーヌは、ギイの結婚申し込みに最後の念を押す。「僕がこうして立ち直れたのは君のおかげだよ。もう、ジュヌビエーブのことは想わない!」ときっぱり言うギイ。そして、その言葉を彼は忠実に守る。
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1963年12月、クリスマスの季節。ジュヌビエーブの車が、そこがギイのガソリンスタンドとは知らずに(?)入って来る。助手席には娘を乗せている。マドレーヌと息子のフランソワはクリスマスの買い物に出かけたところで、ギイと雇い人がいるだけ。

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車に給油してもらっている間、事務所内に入ったジュヌビエーブは、クリスマスツリーに目を留める。
「きれいなツリーね。あなたが飾ったの?」
「いや、家内さ。子供のためにだけどね。」
「当り前よね」
「喪中かい?」
「ママがこの秋に亡くなったの。」
(車に残っている女の子を見やりながら)「名前は?」
「フランソワーズよ。あなたにとてもよく似ているわ。会いたい?」
「・・・もう出発した方がいいよ。」
「ところで、あなたは元気なの?」
「ああ、とても元気だよ。」
外では雪が降り始めている。
ギイは買い物から戻った息子をかかえあげて、マドレーヌと楽しそうに笑っている。それは、今しがたの再会を振り払おうとしているかのようでもあるし、本当にもう何も思っていないのかもしれない。
一方、ジュヌビエーブは、静かに雪の舞う中、ガソリンスタンドを後にする。
ジュヌビエーブの寂しさを思うと、とても泣けてくる。ギイも苦しんだし、どうしようもなかった。彼が悪いわけではない。しかし、この明暗の強過ぎるコントラスト。
人生は1回きりだから、悔いのないように生きたい。しかし、思い通りにならなかったからこそ、その人生が愛おしく思えるというところもあるような気がする。
(追記5:母を亡くしたばかりのジュヌビエーブは、悲しそうに見えますが、彼女が現在幸福かどうか、本当のところはわかりません。カサール氏は誠実でいい人そうでしたから、彼と結婚して結果的には良かったのではないでしょうか。彼女は「結婚して以来、初めてシェルブールに寄ったの」でした。)
(追記6:ジュヌビエーブのカトリーヌ・ドヌーブもさることながら、母のマダム・エムリー(演ずるのはアンヌ・ヴェルノン)もとても美しく魅力的です。映画の中でマダム・エムリーは自分の娘のことを「美しく、スピリチュエル」と言うのですが、お母さんもスピリチュエルです。)


ミッシェル・ルグランは、2019年1月26日パリにて永眠。享年86歳。
ある行商の古本屋さんがTwitterで紹介していたルグランの動画。
ナナ・ムスクーリとジャズをデュエットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=594GkAyrcFs


# by yamabato_za | 2019-09-17 13:52 | シネマ | Comments(0)

シェルブールの雨傘 遅ればせながらミッシェル・ルグラン追悼 その1

1990年代前半に、絵入り私新聞を手書きで作り、コピーを極少数の人に送っていました。
そこで『シェルブールの雨傘』(監督ジャック・ドゥミ/音楽ミッシェル・ルグラン/1964年作品)を取り上げたことがあります。
2019年1月26日、パリにて永眠したミッシェル・ルグランを偲び、その記事を2回に分けて再録します。

「フランス映画では『シェルブールの雨傘』が一番好きかも知れない(追記1)」と言ったら「エーッ、変わってる」と言われたことがある。フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドヌーブの出世作であるこの映画は、1964年ルイ・デリュック賞、同年カンヌ映画祭グランプリ、国際映画カトリックオフィス賞、フランス映画技術高等委員会賞に輝き、当時、少なくともフランスでは絶賛されたと思われる。
しかし、カトリーヌ・ドヌーブよりオードリー・ヘップバーンの方がずっとポピュラーであるように、日本においてはその人気度において『シェルブールの雨傘』は『ローマの休日』の足元にも及ばないようである。雑誌などの“私の好きな映画”に選ばれているのを見たことがないし、ビデオの廉価版が出ていないばかりか、この記事を書くためにもう一度観ようと¥14,390でも仕方なしと取り寄せ注文したが、廃盤になっていた。近くのレンタルショップでの取り扱いもなく(追記2)、かろうじて、サウンドトラックCDだけは手に入れることができた。
(追記1:少し前にDVDで観返したのですが、主人公の男性ギイと後に彼の妻となるマドレーヌの容姿と雰囲気が内に閉じていて、気持ち良くありませんでした。)
(追記2:2019年現在では、リーズナブルな価格でDVDが販売され、レンタルショップでの取り扱いもあります。)

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シェルブールの街の石畳を鉛直真上から撮るという新鮮なアングル。雨が降ってきて、そこを色とりどりの雨傘が通り過ぎてゆく。港町らしくフランスの水兵さんのブルーに赤いボンボンのついた帽子も通過。
(追記3:改めて観て気が付いたのですが、冒頭から自転車乗りが多く見られます。ギイも自転車で通勤。シェルブールはそういう街なのでしょうか?)

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日本ほどでないにしても、フランスにおいても『シェルブールの雨傘』は、人気投票の上位につけないと思う。男性やインテリ層の人は“私の好きな映画ベスト5”に入れるのを躊躇するだろう。
ストーリーは正統的な悲恋ものである。映像は着せ替え人形遊び的とも言え、決してスマートではなく素朴。そこが、この映画のとてもユニークで私が好きなところなのだが。カトリーヌ・ドヌーブ演じるジュヌビエーブ、母親のマダム・エムリー、そして、マドレーヌ、この三人の女性陣が各場面で色々な洋服で登場するのを観るのは、まさに、バービー人形での着せ替えごっこの楽しさ。
そして、それは色の組合せを見る楽しさでもある。使われるのはビビッドカラー。その色のコンビネーションは洋服だけでなく、インテリアにも及んでいる。

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『シェルブールの雨傘』はビビッドな色の洪水で眼が洗われる映画である。ちなみに、舞台装置を担当したのはBernard EVEINという人である。

この作品の非常にユニークな点の第二は、むしろこちらが筆頭に挙げられるべきだが、最初から最後まで台詞がすべて完全にメロディに乗せられている、ということだ。
ミュージカルは普通の会話や独白があり、ところどころに歌って踊るというシーンが入ってくる訳だが、『シェルブールの雨傘』に普通の会話は皆無で、「くそっ!」という言葉まで旋律に乗せられている。このようなスタイルの映画は古今東西、この1本だけではないだろうか?そういう訳で、初めてこの映画を観た時は、その異様さというか、不自然さに、観始めてからしばらくの間、笑いが止まらなかった。やがて慣れて可笑しくなくなる。
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音楽はミッシェル・ルグラン。ジュヌビエーブとギイの別れの場面やラストシーンに流れるメインテーマは珠玉の1曲だと思う。この美しくも悲しい音楽のせいで、ガソリンスタンドでのジュヌビエーブとギイの再会から「Fin」が出るまでは、観るたびに涙を禁じえない。

『シェルブールの雨傘』は、はじめ何だか可笑しくて、ラストは涙流るる映画である。

(←)カサール氏は昔、ローラという女性を愛したが失恋。彼女を忘れるためにフランスを離れ、世界の果てに旅立った。Marc MICHELという人が演ずる。この人は、同じくドゥミ監督の『ローラ』(1961年)でローラに失恋した青年を演じた。『シェルブールの雨傘』は、こんなところで『ローラ』とつながっている。

「シェルブールの雨傘 遅ればせながらミッシェル・ルグラン追悼 その2」につづく


# by yamabato_za | 2019-09-17 13:03 | シネマ | Comments(0)

地球第二の肺

フランスのTF1チャンネル夜8時のニュースでは、このところアマゾン熱帯雨林火災についてたびたび取り上げている。
地球温暖化についての危機意識が日本より高いと言える。

8月31日のニュースでは、以下のような内容が次から次とスピーディに展開された。
1)リオンのバス停で起きた殺傷事件
2)翌日からの新学期を前に、学校で使われる文房具の一つ、消しゴムの老舗メーカー(Maped)について
3)8月末にLilleで毎年開催される古物市(braderie)のこと
4)貝を食べた後の貝殻=自然ゴミ(déchets naturels)をプラスチックにして再利用するフランス独自の技術について
5)地球の第二の肺と言われるコンゴの泥炭(la tourbe)について
他2~3の話題。
NHKのニュースと比べると内容豊富と言えよう。

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地球の第二の肺(le second poumon de la planète)と言われるコンゴの泥炭である。
コンゴの森林地帯の泥の中にあり、地球全体から排出されるCO2の3年分を閉じ込めていると言う。
英国の面積ほどに広がっているのだが、この森林もまた開発によって脅かされている。
国の中心から離れた地域で、政府の関与も期待できない。
この泥炭を調査している大学教授(英語を話す白人女性)によると、森林の環境破壊が進むと土中のCO2が大気中に放出される怖れがあると言う。
グリーンピースは代表を送り、近くに住む住民に森林を守ってくれるように話したが、彼らには彼らの生活がある。
森に害を与えることなく地域を開発し、住民の生活を向上させる(amélioler des conditions de vie, développer la région sans abîmer la fôret)のは、難しい。

# by yamabato_za | 2019-09-02 16:16 | Franceニュース | Trackback | Comments(0)

太宰づくし

2019年の今年は、太宰治生誕110年。
しかし、テレビのニュースでは、桜桃忌であり誕生日でもあった6月19日に、太宰治について何の言及もなかった(と思う)。
ここ何年も、桜桃忌は季節のトピックスに取り上げられていない(多分)。
時代は巡り、昭和も次第に遠くなる、、、
ところが、一昨日、お盆でレギュラー番組がお休みだったために、いつもとは違うチャンネルの番組を観ていて、ちょっと驚いた。
待合わせ中の人に声をかけて、誰と待ち合わせているのか?その人は芸能人でいうと誰に似ているか?などと聞くコーナーだった。
渋谷のハチ公広場で待ち合わせ中の若い女性。高校時代のチアリーダー部の女友だちを待っている。
これから「三鷹(!!)」へ行き、「太宰治のお墓参り(!)」をするという。
やって来た友だちの方は夏目漱石ファンだとか。
二人とも、外見はいたって普通、今風の大学生だった。

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三鷹の駅ビル内にあるスーパーに、桜桃忌の前後、太宰のお菓子が期間限定で売られていた。
津軽の菓子屋・ラグノオささきの「津軽」という名のクッキー。
そのパッケージは、
“昭和19年に小山書店から出版された太宰治著『津軽』の初版本をイメージした”
ものだそうで、スッキリと落ち着いたデザイン。
中身のクッキーも美味しかった。
津軽産アップルファイバー入りで、ほのかなリンゴの香りと、ほろほろとした食感が特徴。
パッケージにも、中身のクッキーにも大満足だった。
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先日、銀座ルパンに行った。林忠彦の写真で有名な、太宰ゆかりの店である。
生誕110年を記念した訳ではなく、昔の知人がそこで働いていると聞いたからである。
土曜日だったせいか、カウンターの中に立つ店の人も、カウンター外のお客さんも、狭い店内にいっぱいだった。
昔、父が家でよく作って飲んでいたブラッディーマリーを飲もうかとも思ったが、
メニューに“アプリコットブランデーとスロージンをシェークした甘すぎず、さっぱりとした口当たりのカクテル。アルコール度数がそれぼど高くない”とあったチャーリーチャップリンを注文。
味はジュースのようでありながら、しばらくすると目の周りが火照ってきたので、アルコールはちゃんと入っていたらしい。
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(↑)チャーリーチャップリン(1300円)とお通し(チャージ込み800円)


# by yamabato_za | 2019-08-15 23:39 | 買い物 | Trackback | Comments(0)