『趣味の園芸』50周年

日曜朝のNHK総合8時25分からの番組が新しくなったので、『小さな旅』が終るとEテレにチャンネルを替えるようになりました。
Eテレでは『京も一日陽だまり屋』がちょうど始まるところです。

この5分のミニ番組は、「京都の園芸店『陽だまり屋』を舞台に、店主の翔太が、お客の様々な要望に応える物語を通して、花と緑を育てる豆知識が楽しめる」というものです。

店主の陽田翔太は、「京都の大学に入学して以来、京都市内で園芸店「陽だまり屋」を営むおばあちゃんの家に居候。ところが、突然おばあちゃんは海外へ。植物の知識がないのに店を任され」ています。

もうひとりの主要登場キャラクターは、そんな翔太を叱責しつつ助けるコノハで、「安倍晴明が間違って生んでしまった女の妖精。見かけは子供っぽく見えるが、年は1000歳以上。安倍晴明の言葉「花と緑に生かされた人の暮らし」を守ることを指命として、応仁の乱から大政奉還まで、京都の歴史の中で生きてきた。植物にはめっぽう詳しい」。
(「」カッコ内は、番組サイトの説明文より抜粋引用しましたが、なかなか面白い設定になっています。)

このミニ番組の特筆すべき点はそのスタイル。
昔、小学校の催しでやった覚えのある、画用紙に描いた登場人物を割り箸に貼りつけた紙人形を動かして見せる人形芝居なのです。
アナログながら、ストーリーと他の登場人物設定と声の出演者が巧い(プロですから)ので、結構面白く見せてくれます。

『京も一日陽だまり屋』が終ると8時半。『趣味の園芸』が始まります。
今年は『趣味の園芸』50周年だそうで、先日の放送は、まるまるリクエストに答えたアーカイブ再放送でした。
なんと柳宗民さん出演の「ネリネ・リコリス」。
リコリスとは彼岸花のこと。
彼岸花といえば、だいぶ前に読んだ『柳宗民の雑草ノオト』です。
おりしも、家の近辺に彼岸花が盛んに伸びている頃で、『雑草ノオト』の彼岸花のページを読みなおしました。


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# by yamabato_za | 2017-09-19 15:34 | TV | Trackback | Comments(0)

藤森照信の建築

建築史家であり建築探偵シリーズなどの文筆活動で知られる藤森照信氏は、1991年に44歳にして建築家としてデビューする。
郷里の幼い時からよく知る神社から建築依頼が来て、同郷の伊東豊雄に回そうとまず思ったが、彼のスタイルでは合わないので、自分でやることにしたという。
この処女作が今まで見たこともないユニークな建築で、同年代の建築家からは評価される。
一方、藤森自身の内にも建築設計がしたいという意欲が湧き出し、自邸(タンポポハウス、1995年)、そして、友人の赤瀬川原平の家(ニラハウス、1997年、日本芸術大賞)をつくる。
そして、建築家としても知られるようになり、有名なところでは、元総理大臣の細川氏からはシラク大統領を招くための茶室(一夜亭、2003年)、『バカの壁』の養老氏の昆虫館(2005年)、宮城まり子のねむの木こども美術館(2006年)などを手がける。熊本県立農業大学校学生寮(2000年)では日本建築学会作品賞受賞。
藤森氏の建築作品は、彼の建築探偵や路上観察から感じられる趣味嗜好や藤森氏の朴訥とした感じの容姿とはだいぶかけ離れたセンスの良さで、驚嘆。

図書館より『藤森照信建築』(TOTO出版)を借り、その建築作品を再確認した。
この本は日英のバイリンガルで大判の重い本。


印象に残った藤森照信による文章を抜粋メモ:

藤森氏の建築処女作・神長官守矢資料館(1991年2月、長野県茅野市)について
その1:「人類の建築を目指して」より

構造と仕上げをどうするかには最初から難題があった。文化財を収蔵展示するのだから、火事と地震に耐えるため鉄筋コンクリートを構造としなければならない。・・・しかし、守矢家の自然信仰は、鉄とガラスとコンクリートの表情とは絶対に合わない。・・・あえてやれば、私にとっては精神的な犯罪を犯すことになる。仕上げに使う材料は、木、土、石といった地元で採れる昔ながらの自然材料を・・・あらあらしく使いたい。
骨格は20世紀、仕上げは新石器時代。こんな絶対矛盾は、デザイン力で調停できるもんではない。・・・矛盾を並列させるしかない。一枚の壁を内側と外側に分け、構造体となる内側には鉄筋コンクリートや鉄を並べ、外側の仕上げには土や木や石を並べる。分りやすくいえば、鉄とコンクリートに木、土、石を着せる。・・・
モダニズム建築には、構造体を表現として見せる、という鉄則がある。・・・この鉄則を犯すことになる。鉄やコンクリートをムキ出せば精神的犯罪、隠せば建築的犯罪。
結局、腹をくくり、構造体を自然素材で包んで隠し、建築的犯罪を犯すことにした。

その2:「神長官守矢資料館」説明文より

鉄筋コンクリートと鉄で出来た躯体を自然の素材でスッポリ包もう、と決めてから、一番苦労したのは後方の収蔵庫の仕上げだった。・・・収蔵庫の土壁はむずかしい。この地の厳しい冬の凍結融解に耐えられる土壁などない。仕方なく、土色のモルタル(白セメント+砂+色粉)に切りワラを混ぜて塗り、その上から本当の土を塗った。
たいていの見学者がワラ入りモルタルを本当の土と見まちがえるが、それはひとえにワラの力による。ワラを目が認めると、脳の記憶は、ワラ→セメントとは進まず、ワラ→土と進むのである。

その3:「自然素材 土」より

・・・ねむの木こども美術館の芝棟用の土を、縄文建築団(藤森の友人からなる建設趣味の会)で盛り上げ作業を担当し、終りが近づいた時、初夏の暑いなか汗まみれになりながら黙々と土を扱っていた南伸坊が言った「土はいい。もっとやりたい」。これまで縄文建築団は、木、石、銅板とさまざまな材料と取り組んできたが、もっとやりたい発言は土がはじめてだった。
たしかに、土は他の自然素材とはちがう。木をはじめ自然素材の特徴は、手に応答してくれる点だが、土が一番で、完全に手に応答して凹んだり盛り上がったりしてくれる。そのせいか、土を扱っていると、手を通して意識が土の中に没入してしまい、皆、無口になり、黙々と作業を続け、もっとやりたい。
南の発言を聞いて、土について考えはじめた。これまで、長いこと、究極の建築素材は木と思ってきたが、もしかしたら土かもしれない。

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←2006年第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展日本館
『藤森建築と路上観察:誰も知らない日本の建築と都市』カタログ
下半分の写真はニラハウスの屋根


その4:「焼杉ハウス(2007年4月、長野県長野市)」説明文より

何の材料で床、壁、天井をグルリと包むのか。これまで使ってきたさまざまな材料を考えた。松、杉、桧、イヌマキといった針葉樹は木目が整いすぎて面白くないし、かといってナラや桐やカエデやクワや柿はおとなしすぎて力に欠ける。力強くかつ柔らかい材料ということになると、クリにつきる。・・・
日本の建築構造用木材は古代より面白い使い分けがなされてきた。瓦葺の社寺や上流住宅には桧と杉が好まれ、一方、草葺きの民家にはクリが多用された。しかし、近代にはいると、民家でもクリはしだいに消え、現代では、建物の種類を問わず、桧、杉、米松の三種がもっぱら使われるようになる。そして、クリ、ケヤキ、ミズナラといった広葉樹は、造作材としてしか使われない。


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# by yamabato_za | 2017-08-25 11:04 | 図書室 | Trackback | Comments(0)

藤森照信の建築探偵シリーズ

藤森照信の『建築探偵 雨天決行』を貸してもらって読んでから、また藤森照信マイブーム。
『建築探偵 雨天決行』は、建築探偵シリーズの2冊目の単行本で1989年出版。
その前に『建築探偵 東奔西走』が、後に『建築探偵 神出鬼没』が出ています。

この2冊が図書館にあり、早速借りました。こちらの2冊も面白い建築探偵話しが満載でした。

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『建築探偵 東奔西走』では、岩崎小弥太の住まい1&2に、
『建築探偵 神出鬼没』では、服部金太郎邸と開東閣(岩崎弥之助の家)に強く印象づけられました。

この建築探偵シリーズは、その後、文庫本(朝日文庫)になっていました。

『建築探偵 東奔西走』(1996年)

『建築探偵 雨天決行』』(1997年)


『建築探偵 神出鬼没』』(1997年) 


『建築探偵 奇想天外』(1997年)  の4冊です。


文庫化に当り、3冊シリーズが4冊シリーズになっています。
装丁デザインが文庫本の方がよく、コンパクトですし、文庫本で4冊(中古品)手に入れました。
文庫本の掲載写真は単行本より減っていて、サイズも当然小さくなっていますので、写真に関しては単行本の方がよろしい。
しかし、単行本で白黒であった写真が文庫でカラーになっているものがあります。
また、著名人の解説が巻末にあるのもちょっとしたお楽しみ。
そして、単行本当時に不明だった情報が、わずかですが文庫版には追加されています。

『建築探偵 雨天決行』より、「目黒雅叙園」の他に特に印象に残ったことを、
以下書き留めておきます。

東京駅(文庫本でも『建築探偵 雨天決行』に収録) メモ1

いまの東京駅は、明治建築界の法王・辰野金吾が明治36年に設計を開始し大正3年に竣工したものだが、それ以前に東京駅計画が立てられていた。
それはドイツ人鉄道技師バルツァーによるもので、見つけることができず諦めていたところ、1987年の暮れ、当時、宇宙開発事業団顧問であった島秀雄氏より東京駅の昔の資料があるとの連絡を受ける。
新幹線の生みの親・島秀雄氏の父・安二郎氏も国鉄技師であり、その遺品の中から捜していたバルツァーによる東京駅の図面を見つける。

東京駅 メモ2

1988年3月、鈴木都知事、中島文部大臣、石原運輸大臣、竹下総理大臣が、相次いで、赤煉瓦の東京駅を復元保存する方向で進むことを口にする。
その数カ月前までは首相、建設大臣らが東京大改造の名のもと東京駅取り壊し構想に走っていた。この逆転劇は、三浦朱門、高峰秀子らを代表とする「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」の運動やそれを支持した世論の賜。

東京駅 メモ3

辰野金吾は「建築家として生まれたからには東京に建物を三つ建てたい。日本銀行本店。東京駅。国会議事堂」と常日頃から言っていた。
辰野金吾のもとで東京駅の計画に参加した松本与作さんによると「先生は万歳がお好きで、三回やってますね。日露戦争に勝った時と東京駅の仕事が決まった時とご自分の臨終の時です。」

北海道のライト&辻のヴィオロン弾き(文庫本では『建築探偵 神出鬼没』に収録)
英語の出来る建築技師として、帝国ホテルの現場でライトのもと働いた後、北海道に渡った田上義也氏は、建築家として仕事をした後、札幌交響楽団をつくる。この人の人生の転機となるきっかけが独特で面白い。


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# by yamabato_za | 2017-08-15 19:10 | 図書室 | Trackback | Comments(0)

天からの啓示

穂村弘の「穂」は「種(たね)」じゃなくて「ほ」と読むのね(「穂」と「種」の漢字が似ているので、「穂」を「種」と間違えていたということなのでしょう)、というような話を友人から聞いて程なく、本屋に行くと穂村弘の本がまとまっていくつも平積みにしてあった。
そのいくつもまとまってある穂村弘の平積み本の中に、ひと平積みだけ種村季弘という名前があり、「あれ?」と思った。
穂村弘と種村季弘。。。
えーっ、どうなっているのだ??頭が混乱。
その日だったか、その次の日であったか、知人より手紙が届く。
その中に「見世物学会」のことが書かれてあり、そこに「ドイツ文学者の種村季弘さん」の名前が!!
ドイツ文学者の種村秀弘さんがいるのだ。
「たねむら すえひろ」と読むそうである。

前述の本屋の前にはワゴンが何台か並び、フランス雑貨の市が開かれていた。
その中の一つのワゴンに「赤坂蚤の市」と書かれたちょっと気になるDMが置いてあり、
手に取ると隅に小さく「designed by M!DOR!」とあった。

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その翌日、図書館に行く。久しぶりに雑誌を見よう。
『装苑』の最新号は紙と文具の特集。
ページを繰って行くと、前日気に留めた「M!DOR!」さんが紹介されていて驚く。

あれ?おや?と思ったことの関連事項が、すぐさまに思いがけなく提示されると、天からの啓示のようで心躍る。

ちなみに「赤坂蚤の市 in ARK HILLS」は、毎月第4日曜日に赤坂のアーク・カラヤン広場にて開催とのこと。



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# by yamabato_za | 2017-07-25 16:37 | 山鳩の記 | Trackback | Comments(0)

マクロン大統領のスーツ

フランスのレギュラーTV番組は、9月の新年度まで2カ月のお休み。
6月、7月は、Yahoo!Franceニュースが頼りです。

(Yahoo!Franceニュースから)
大統領就任式の5月14日に、マクロン大統領の報道官がSNSに次のような投稿をした。
“大統領は今後、パリのアブキール通りにある「Jonas et Cie」のスーツを着用します。一着およそ450ユーロです。”
« Le président sera habillé d'un costume de chez Jonas et Cie, magasin situé rue d'Aboukir à Paris. Le coût d'un costume est d'environ 450 euros. »
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銀行マンの高級なスーツを捨て、より普通の価格帯スーツへの移行を国民に示そうということらしい。
以来、パリのJonas et Cieには、大勢のお客が押し寄せ、2カ月で25%増の売上だそうである。
パリ観光のアジア人や地方の人は、今までJonas et Cieの客層ではなかったが、マクロン大統領が着ているようなスーツを買おうと来店するようになったという。
« Notre clientèle s'est élargie aux touristes asiatiques et aux provinciaux qui font le voyage jusqu'à Paris pour s'offrir un costume semblable à ceux de Macron »

マクロン大統領の一番最近の注文は、トランプ大統領とエッフェル塔で夕食する時のためにスーツをだったそうである。

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# by yamabato_za | 2017-07-20 22:16 | Yahoo!Franceニュース | Trackback | Comments(0)